“I never saw a tooth walk into my office!”  Dr.Pankey

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先週の土曜日 東京八重洲

私の所属するHDA(Holistic Dental Association)で、スタッフミーティングを行いました。その最後に歯科衛生士やアシスタント、受付など歯科スタッフに向けて、少しお話をしました。その中で、“I never saw a tooth walk into my office”というDr.Pankey http://www.pankey.org/about/history/の言葉を引用して、次のような話をしてきました。

<中略> 歯の(口の)病気で代表的なものは、虫歯と歯周病ですが、この2つの原因は「細菌」であることは、既にわかっています。そして生活習慣が深く関わっていることもわかっています。また多くの一般の方もそのことを知っておられます。

さて、「虫歯や歯周病を治す」とは、どのようなことをいうのでしょうか?虫歯を例に考えてみましょう。

・虫歯で溶けた穴を削って詰める(歯を失ったところへ入れ歯を入れたり、インプラントを入れるのも基本的に同じことです)
・もう二度と同じことを繰り返さないように、歯が溶けた原因を見つけて取り除く

さあ、どうでしょうか?歴史的にも前者(削って詰める)が歯の治療だと思われてきました。歯科医も一生懸命前者のような修繕を繰り返してきました。確かに必要なことです。しかし、後者の「その原因を取り除くこと」も当然大切なことだとお解かりのはずです。そのためには、失ったら戻ってこないのだと歯の大切さを真剣に考え、生活習慣に目を向け、自分と向き合ってもらう必要があります。ただ歯ブラシの持ち方や使い方のテクニックを教えるだけでは、うまくいかないのはそのためです。

実は、いまだにほとんどの虫歯の治療は、前者の「削って詰める」式の治療が行われています。

例えば次のような歯科医と患者さんの会話は、容易に想像できます。

  • 歯科医:今日はどうされましたか?
  • 患者さん:右下の奥歯の詰め物がはずれたんです。
  • 歯科医:どれどれ、なるほど。少し虫歯になっていますね。詰めておきましょう。
  • 患者さん:お願いします。

一連の詰める治療が終了

  • 歯科医:こことここにも虫歯があります。ついでに治療しておきましょうか?
  • 患者さん:お願いします。

一連の治療終了

  • 歯科医:歯石もついているので、取っておきましょうか?
  • 患者さん:お願いします。…

どうでしょう?この通りでなくても、歯科医と患者さんとの会話というのは、こんな感じではないでしょうか?

ここでの患者さんの言葉は、「お願いします」のみです。患者さんの主体性や自由な選択、自己責任は、まったくありません。このようなことが一生つづけば、歯が無くなっていくのもうなづけます。失ったらインプラントできるからいい?なんと愚かで恐ろしい発想でしょう。この歯科医の関心ごとは“(人格のない)歯”だけのようです。

はずれたときにどのような感じだったか?何か不安を感じたか?もし何も感じなかったのならなぜか?ある程度年数が経っているので、はずれても当然!と思っていないか?はずれてすぐに歯科医に連絡したか?そうでなければなぜか?その詰め物をしたのはいつ頃か?その治療をしたときは、どのような思いだったか???そのようなことを振り返ることで、その歯がその患者さんの身体の一部になっていきます。またまだその他にもたくさんの守るべき歯が口の中にあるかもしれません。

Dr.Pankey は言っています。

“I never saw a tooth walk into my office!” (私は、歯が自分の診療所に来たのを見たことがない) と

歯だけが歩いてくるのではなく、その歯を持った人が訪れてくるのです。歯だけを診るのではなく、その歯を持った人間を診なさい。と

患者さん自身が、自分の問題(虫歯や歯周病)にかかわらない限り、その問題は治りません。その歯を守るためにも、その他の歯を守るためにも、これからの人生歯で悩まないようにするためにも、本当に一生涯なんでも気にせず自分の歯で食事ができる、おしゃべりができるためにも、まず患者さんとかかわることです。<中略>

是非皆さんも、歯だけでなく、自分自身に関心を寄せてくれる歯科医、歯科衛生士、歯科医院を見つけてください。

われわれグッドスマイルの各診療所http://www.good-smile.com/m03_network/network.htmlでは、大阪の川村泰雄先生を通じて、アメリカのPankey研究所http://www.pankey.org/で研修を受け、Pankey先生の考え方で診療しております。

 

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