歯を失ったら、歯を入れるべきか?

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歯を失ってしまったら、新しい歯(人工の歯)を入れるべきでしょうか?

答えがYES/NOの二者択一であれば、YESです。

患者さんも歯科医も歯が失われれば、すぐにそこに歯を入れることを考えがちです。

そして次には、どんな歯を入れようか?ということに思考が移ります。インプラント?ブリッジ?取り外し式の部分義歯?という風に。

違和感は?噛みやすさは?長持ちするのは?見た目は?

しかし実際はそんなに簡単ではありません。

どの方法を選んでも、必ずリスク(危険性)はあります。失われた歯を補うためには、多くの犠牲を払わなければなりません。

その犠牲を払う前に、よく考えるべきことがいくつかあります。

■そもそも、なぜその歯は失われたのでしょうか?むし歯でしょうか?歯周病でしょうか?

■もしもそうであれば、なぜむし歯や歯周病に罹ったのでしょうか?その原因は見つかりましたか?

■むし歯や歯周病の原因はなくなりましたか?

■むし歯や歯周病は治りましたか?

■それでは、これから再びむし歯や歯周病に罹る心配はありませんか?

失われた歯を補うのは、これらの問題が解決されてから行なわれるべきです。そうでなければ、せっかく犠牲を払って新しい歯ができても、これからもずっとむし歯や歯周病の治療が必要になるでしょう。そのようなことは誰も望んでおられないはずです。

しかし実際には、これらのことには目を向けず(向けられず)、次々と人工の歯が入っていくことがなんと多いことでしょう。

私どものクリニックでは、まず最初に「なぜ今回のような問題が起こったと思いますか?」と問いかけ、「歯を守るには予防が大切なのですよ」と予防の大切さのお話をして、患者さんと一緒にその問題の解決に取り組むきっかけを探します。最初のとても大切なこの場面に30分ほどの時間を使いますが、ほとんどすべての患者さんは、「そんなこといままで聞かれたことありません」「そんな話いままで聞いたことありません」と答えられます。いままで数多くの歯科治療を経験されておられる方でもです。

歯科治療って、いったい何なんでしょうか?

むし歯や歯周病は、病気なのです。歯が溶かされる病気であるむし歯が治るというのは、これから再び歯が溶けないようになることです。削って詰めることだけではありません。

歯の治療では、どのような治療であっても、治療すると元に戻せないことが多くあります。むし歯や歯周病の原因がいっぱい残っている口の中で、大切な歯を削ることや顎の骨に異物を埋め込むことがどれだけ危険なことかを是非お考えください。

歯を入れるべきか?二者択一で簡単に決定できるものではないことがお解かりいただけたでしょうか?

治療を進める前に一度立ち止まって、歯や歯ぐき、歯を支えている顎の骨、顎の関節や筋肉、咬み合わせ、そして毎日のお手入れの習慣や口から入ってくる食べ物や飲み物も含め、お口全体を一度徹底的に検査してもらいましょう。歯を失う前であっても、失われた後であっても、まずは口の中でいったい何が起こっているのか?本当はどうなっているのか?を正しく知る経験がとても大切です。

歯を入れる前に、病気の原因をなくして、むし歯や歯周病を根絶させましょう。

その上に綿密に設計された人工の歯を作って、お口の本当の健康を取り戻しましょう!

歯を取り戻した後は、せっかく犠牲を払って取り戻した歯です、再び問題を起こすことがないよう歯科医や歯科衛生士としっかりタッグを組んで、できるだけ長く、できれば一生、しっかり噛めて美しい歯、口を維持しましょう!

将来の予防を踏まえて綿密に計画された治療には、時間がかかるかもしれません。しかし、その治療を受けられたその勇気と努力には、必ず良い結果がついてくると信じています。

 

 

 

 

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