抜かずに歯を延命させる治療

本日のラバーダム

私の父の時代から50年以上メンテナンスされている患者さん
80歳代で24本の歯があり、なんでも食べられとても元気でいらっしゃいます。
本日もそごうでお買い物されたらしく、大きな荷物を持って来られました。

今回は痛みがあるとのことでよく診察してみると、神経(歯髄)の治療が必要であることがわかりました。
神経の治療を行いましたが、年齢的なこともあり神経がとても細くなっていました。
本日の治療では、細くなった根管(歯の根の中にある神経が入っている管)を探すのにとても時間がかかりましたが本当によくがんばっていただきました。
5時に来られてクリニックを出られたのは7時前でした。
がんばっていただいたおかげで、無事神経の治療ができました。

この歯は手前の歯とつなぐブリッジという方法で治療されている歯です。
このような歯にラバーダムをするのには少し工夫が必要でしたが、うまくいきました。

長年使われてきたブリッジもはずさすに治療できてよかったです。

この歯もまだまだ使えそうです。よかったです。

※ラバーダム
写真のラバー製の青いシートのことです。
歯の治療中に唾液とか口の中のバイキンが歯の中にはいらないように防ぎます。
また治療に使うお薬とか水が口の中に入るのを防ぎます。
患者さんも歯科医も治療が楽になります。

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Q:削って詰めれば虫歯は治るのか? A:NO!!

写真1 真ん中の歯

Q:削って詰めれば虫歯は治るのか?

A:NO!!

【写真1】 真ん中の歯の治療です。すでに治療されている歯ですが、 レントゲン写真で詰め物の下で歯が溶けているとこがわかりました。外から見るかぎり、穴は開いていません。

写真2 金属の詰め物は簡単にはずれました

【写真2】なんと金属の詰め物は削らなくても簡単にはずれました。

写真3 詰め物をはずしてみると…

【写真3】はずしてみると、詰め物の下はレントゲン写真の通りに歯が溶けていました。 黒くなっている部分が溶けている(虫歯になっている)部分です。

写真4 溶けているところを丁寧に除去します

【写真4】 溶けているところ(細菌に感染しているところ)を丁寧に取り除きます。 歯髄(神経)は露出しませんでしたが、歯髄に近づいています。 実は結構大きく深い虫歯です。   このあとは、細菌が再び歯の中に入らないように大きな穴を詰め物で密閉します。

 

ご覧のように、虫歯を削って詰めることは虫歯の治療です。

Q:削って詰めれば、虫歯は治るのか?

正しい答えは、
A:その歯から(一時的に)虫歯は無くなりますが、虫歯という病気が治った訳ではありません。

?? お分かりいただけますでしょうか?

虫歯は、歯が溶ける病気です。

虫歯を削って詰めれば、その歯から一時的に虫歯は無くなりますが、歯が溶けなくなる訳ではありません。

歯が溶ける原因を無くさないかぎり、削って詰めても歯は溶けつづけるでしょう。

この写真の場合も、過去に削って詰める治療を受けている歯です。しっかり虫歯が再発していました。

虫歯治療で大事なことは、歯が溶けた原因を真剣に探し、見つかったならその原因を確実になくすことです。

写真の患者さんは、デンタルドックで、口の中を隅々まで調べられたことでこの虫歯が発見されました。そして虫歯の原因も特定でき、その後虫歯の原因を除去してきました。

そしてようやく削って詰める治療の準備が整ったのです。

なぜ歯が溶けたのか?という疑問が解決されないまま歯を削ってしまうことの恐さを私たち歯科医はよく知っています。

幸いこの患者さんは、原因除去に成功してから写真のような治療ができたので安心です。

どうしても歯を削る治療が必要な場合、絶対歯を削るのはこれで最後にする!という強い目標設定が大切です。

そのためには、科学的な戦略を立てる必要があります。

その戦略は、デンタルドックから始まります。

 

CR Bite record(中心位咬合採得)/デンタルドック1日目

Funabiki Dental Clinic

Dental Dock1日目の重要項目! CR Bite record(中心位採得)

下あごの関節突起が頭蓋骨にある関節窩(関節がはまり込む器)に適切にはまり込んだ位置に誘導します。

写真は、そのときの上あごと下あごの位置関係を記録している様子です。

咬み合わせを診断する上で一番ベースになる情報です。

この情報を基に、歯型の模型を実際の位置関係とまったく同じように再現できるシミュレーター(咬合器:こうごうき といいます)上に再現します。

Funabiki Dental Clinic

このことで、歯だけではなくて、顎(あご)の位置を含めた咬み合わせの診査が可能になります。

歯や歯ぐきだけではなく、あごを動かす筋肉やその周囲の筋肉、あごが動くときの中心になる顎関節も診査します。

虫歯や歯周病などのお口の中の衛生状態と同じように、あご(顎)にかかる力の情報を知ることは歯を快適に残していく上でとても重要なことです。

患者さん自信はほとんど気が付かれていないですが、歯や歯を支える骨、または顎関節を破壊するような力が何年も何十年もかかりつづていることもよく見られます。

Functional Occlusion / Peter E. Dawson より

6月休診のご案内

6月20日(月)は休診いたします。

神戸市中央区 神戸市役所東向かい 各線三宮より徒歩約5~7分

奥歯の復活

 

Full Cast Crown (日本語で全部鋳造冠) 左下一番奥の歯(第2大臼歯)に被せる冠(クラウン)です。

 

一番奥の歯で、普通でもすごい力がかかる部分ですが、この方はまた特別力がかかる方なので、金属の歯を作りました。

 

少なくとも10年の経過を考えたとき、セラミックではおそらく割れてしまうでしょう。

 

ジルコニアという割れない白い歯がありますが、硬すぎてこの歯や相対する上の歯、歯の周りの骨、顎の関節が壊れてしまう心配があります。

 

技工所から届いたクラウンを患者さんの歯にはめてみて必要なところをチェックします。

 

神経を取り除き、歯の中を消毒し、細菌が根の中に入らないように密閉し、樹脂で土台を作り、被せるために歯を削り、歯型を取り、長くかかった治療の最終段階!けっして慌ててはいけません。

 

多くのチェック項目、調整ポイントがありますが、最後のポイントの咬み合わせで少し調整が必要でした。

 

わずかに高かったのです。

 

一番奥の歯のわずかな狂いは、破壊的な力のストレスになります。

 

最初は少し高いような感じがしても、数分~数日経てば感覚的にはもうわからなくなるかもしれません。

 

わからなくなるということは、慣れてきた、順応してきた、と良いように表現できるかもしれませんが、その破壊的な力が歯にかかりつづけるか、その歯に当たらないように顎の位置を脳が筋肉を使って無意識に調整し始めるかもしれません。

 

そうすると歯だけでなく、顎の位置を調整する筋肉に余計な負担を強いることになります。

 

そして顎を動かす筋肉や関節の位置にも影響するため、顎関節症に代表される顎の問題に発展する心配も出てきます。

 

ですので歯だけでなく、関節や筋肉を含めた総合的な(顎口腔系といいます)診断が必要になります。

 

高いか?低いか?ちょうどいいか??患者さん自身では正確な判断はできませんので、歯科医が客観的に、そして総合的に診断します。

 

この場合、クラウンを調整したのは、数μ~せいぜい10μ (100分の1㎜) です。(写真の傷の部分)

 

この100分の1㎜は、咬み心地だけでなく、この歯の将来を大きく左右しますし、この歯だけでなく口全体のこれからも左右します。

 

バッチリ調整できたので、絶対にはずれないように引っ付けました。セメンティングといいます。

 

今回の右下一番奥の歯にこのクラウンを装着するために、きっちり1時間の時間がかかりました。

 

生涯、快適に過ごせますように!!絶対に再治療が必要ないように!!できうることはすべてやりました。

 

あとはメンテナンスでしっかり経過を追いましょう!

 

5月休診のお知らせ

5月28日(土)は臨時休診となります。

船曳歯科クリニック
最寄駅 JR三ノ宮 阪神 神戸三宮 阪急 三宮 市営地下鉄 三宮 市営地下鉄 花時計前 ポートライナー 三宮または貿易センター

3月休診のお知らせ

3月12日(土)は臨時休診となります。

三宮 神戸花時計・神戸市役所東向かい  船曳歯科クリニック

周術期の口腔ケア

左の写真はかなり進んだ歯周病の状態です。歯ぐきが腫れて出血しています。この方のお口の中にはすさまじい数の細菌が住み着いています。その数は健康な口とは比べ物になりません。しかしこれだけの歯周病があってもほとんど「痛み」を感じられることはありません。

最近「周術期の口腔ケア」が医科・歯科の間でトピックになっています。

周術期とは手術の周り(前後)という意味で、特に免疫機能(細菌などの異物を排除しようとする働き)が低下する病気や治療の際に口の中の細菌が命にかかわる問題になる場合があります。具体的には、悪性腫瘍(がん)の放射線治療や抗がん剤治療、骨髄移植などが代表的なものです。

写真のような場合、歯ブラシで歯を磨くと歯ぐきから出血しますが、ここまで進行すると歯を磨かなくても出血しています。出血するということは微細な血管が破れているわけで、その血管の中に細菌が必ず入り込んで全身を巡ります。そのようなことが24時間365日続いていると考えられます。

前述のようにこのような方の免疫機能が低下するとどういうことがおこるでしょうか?

血流に乗って身体を巡っている細菌が身体のどこかに感染症をおこす可能性が高くなります。ただでさえ重い病気の治療なのに、そこに別の大きな問題を抱えてしまうことになります。手術は成功したのに術後に歯周病菌で命が脅かされることがあるのです。

ですので最近では、患者さんは事前に歯科の受診をもとめられるようになってきています。手術や治療の前に口の中を清潔にしておくためです。

歯科医側からの意見としては、「歯周病はそんなに短期間では治らない」ということです。手術を含め治療のスケジュールはあらかじめ決まっているので、歯科はその短い期間で口の中を清潔にすることを求められます。その期間でできる範囲で…。

この短い期間でも専門家(歯科医や歯科衛生士)といっしょに一生懸命口腔ケアを行なえばある程度細菌の数を減らすことができるので、感染症のリスクを下げることはできます。しかし十分に時間があれば、患者さんといっしょにもっともっと清潔で健康的なお口にして命にかかわる感染症のリスクを最小限にすることができるのです。

ここで大切なのは、日頃の正しい口腔ケアです。日頃からお口の中が清潔であればこのような心配はせずにすみます。正しい口腔ケアにはデンタルフロスが必ず必要です。その方法で完全にきれいにできるように虫歯を治療したり、歯との間に隙間のある修復物をピッタリ歯に合わせるようにやりかえたり、どうしても掃除の難しい歯は抜歯するという治療も必要です。

かかりつけの歯科医院でお口全体の詳しい検査を受けて今自分の口の中がどうなっているのかを正しく知りましょう。その上で正しい口腔ケアを習得され、治療やメンテナンスを受けて歯周病や虫歯のないお口を保ちましょう。そのことでいざという時に心配せずにすむだけでなく、生涯自分の歯を健康に保つことができます。なんとすばらしいことでしょう!

周術期のことについて書きましたが、歯の病気、特に歯周病は周術期に限らず糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞などの病気と関係があることがわかってきています。歯周病はもはや口だけでなく全身の、しかも命に直接かかわるような病気の原因になっています。

痛いから治療をするのではありません。お口の中を清潔にするために治療するのです。

 

1月休診のご案内

1月18日(月)院長研修会出席のため臨時休診いたします。