「リステリン」CMは誤解招く、米連邦地裁が中止命令

 

マウスウォッシュ(洗口液)として有名な「リステリン」にはデンタルフロスほどの効果はないとして、ニューヨーク・マンハッタンの連邦地裁は7日、リステリンを販売する米製薬大手ファイザー社に「誤解を招くテレビCM」の中止を求める決定を下した。

同社は「リステリンには歯垢(除去)、歯肉炎に対してフロスと同じ効果がある」として、「もうフロスは捨てよう」のうたい文句で宣伝を展開してきた。同社を相手取って、フロスを販売しているジョンソン・エンド・ジョンソン社の子会社が訴えていた。

裁判長は、「リステリンの効果は歯茎から歯垢を直接取り除くフロスに及ばない」と述べ、CM中止をファイザー社に命じた。

2005/1/8読売新聞

2005年初頭のニュース アメリカの話ですが、裁判所は、リステリンの誇大広告に対してNO!と言いました。

リステリンではありませんが、洗口剤(マウスウォッシュ)の効果については、前回のブログで実験レポートを紹介した通りです。フロスどころか、まったくプラークを除去する効果はありません。これで歯周病が予防できるなどとよく言えたものです。
http://www.funabiki-8020.com/blog/archives/426?fb_action_ids=728470067236338&fb_action_types=og.likes

しかしこのニュース、ハッと気づかされることがあります。

「もうフロスは捨てよう!」のキャッチコピー
アメリカは、これがキャッチコピーになる社会なのです。アメリカでもフロスはみんな面倒だと思っているのと同時に、しっかり日常に根付いているのです。日本では、残念ながら考えられません。

間違っていることは、「間違っている」とはっきり言う社会
「フロスを捨てよう!」とは、強烈なキャッチコピーですが、それに対して間違っていることは「間違っている」と正す姿勢がみられます。

マウスウォッシュでプラークを除去できないことは、私を含めて日本のほとんどの歯科医は知っているはずです。実に簡単な実験で実証できます。

しかし、マウスウォッシュでうがいすればスッキリ洗い流され、「これは、むし歯や歯周病予防に効きそう!」と誤解を招くようなCMは、日本では、なくなりません。

歯科医師会も黙っています。歯科医師会の雑誌には、デンタルケア商品の広告がたくさん出ており、メーカーがよいスポンサーになっています。お互い持ちつ持たれつの関係なのです。
なかなか本当のことが言えない、広まらない構図がここにもあります。

「デンタルリンスって、使った方がいいのですか?」とほんとに多くの方が尋ねられます。「電動歯ブラシ」についてもよく尋ねられます。

それよりもフロスを毎日正しく使うことの方が、どれだけ効果的でしょうか?日本人の歯を守るために、日本にもっとフロスを普及させるべきです!

 

Wikipediaによると、驚くことに

  • 2007年9月 - ジョンソン・エンド・ジョンソンがファイザーの「リステリン」事業を譲り受ける。

とあります。

 

お口クチュクチュは効くのか?

「洗口剤(マウスウォッシュ)は効果があるのですか?」という質問を多くいただきます。歯の表面のプラークは糊状についているので、フロスや歯ブラシを使って物理的にこすり落とさないと取れません。

しかし!よく見かける左の商品には「歯磨きだけでは落とせない!ミクロの汚れまで洗い流す!!」と書かれています。なんとも大胆なコピーです。テレビのCMでも、これでうがいするとすみずみまで洗い流されてスッキリするイメージが紹介されています。「ミクロの汚れ」とは何のことでしょうか?プラーク(細菌のかたまり)をイメージしますが、何を指しているのかは書かれていません。ここに曖昧さがあります。

そこで、もしもこれだけを使いつづけるとどうなるのか?

やってみました。

被験者(モルモット?)は私(院長)、歯面の清掃と記録はうちの衛生士が行いました。

実験方法は単純で、1週間フロスと歯ブラシを使って(歯磨剤は使いませんでした)プラークコントロールをした状態と、1週間歯ブラシもフロスもまったく使わず、上の洗口剤(モ○○ミン)だけを使った状態をプラーク染色液で染め出して比べてみました。また歯周ポケットの検査と歯ぐきからの出血も調べました。

結果は左の写真です。想像していた通り大変なことになりました。もちろん「フロス+歯ブラシ」の圧勝です。洗口剤のみの方はまっ赤!プラークにまみれています。

1週間待たずして2~3日目に口の中はザラザラ、ベタベタしてきました。もうこの辺りで許してほしい~!と思ったほどです。憂鬱な1週間でした。プロービング(歯周ポケットの検査)で、歯ぐきからの出血も起こり始めていました。この広告を信じて何年もこれだけでやり通したら…と考えると恐ろしいです。

結果は、容易に想像できましたが、体感するとかなり気持ち悪いです。最後の方は、かなりしっかりクチュクチュしましたが、ダメでした。まったくプラークはとれません。効果ゼロです。

憂鬱な気分になりますし、口数も減ります。

常に上のようなキレイな状態で過ごす一生と、常に下のようなバイキンまみれのお口で過ごす一生は、まったく違ったものになるでしょう。当然口の健康状態は大きく違ってきますし、全身の健康にも影響してきます。さまざまな歯の治療も必要になるでしょう。そのための苦痛、時間、費用…。心理的にも、コミュニケーションにも影響します。

このような誤解を招く広告は、許し難いと思うと同時に、他のジャンルのCMもそのまま信用しない方がよいのか?と懐疑的になってしまいます。

皆さんも是非正しいプラークコントロールの方法をしっかり専門家から教わって習得してください。

本当のことを知りましょう!ややこしいCMにだまされないように…。

 

「第10回あいしの集い」が行われました。

11月16日(日)この日曜日に、第10回の「あいしの集い」がグランビア大阪で開催されました。

「あいしの集い」は、私たち船曳歯科クリニックが所属しているHDA(Holistic Dental Association)主催の患者さんの集いで、毎年東京・大阪交互で行なわれています。

今年は、大阪開催で、関西のメンバー4人が「本物の歯科医療の話をしよう」と題して講演しました。

私は咬み合わせの大切さについて、顎の関節の位置の重要性をお話しました。内容を簡単に

口の機能には、食べることを中心に、味わったり、話したり、歌ったりと楽しむことが多くあります。
口を動かすために、さまざまな情報が脳に送られ、脳ではその情報を解析するために瞬時に膨大な計算をし、脳から筋肉へ電気信号が送られます。それらをシステムとして実に整然とこなしています。
歯には、奥歯で最大およそ60㎏の力がかかっています。100㎏を超える力がかかることもあります。その力を歯の根の表面にある歯根膜という圧力センサーで感知して必要以上の力がかからないようにコントロールしています。
しかし、それらの巨大な力が長年歯にかかることで、歯がすり減ったり、グラグラと揺さぶられたり、知覚過敏をひきおこしたりします。時には歯を割って(壊して)しまうこともあります。
歯を守るためには、むし歯や歯周病を予防するだけでなく、歯にかかるこの膨大な力をできるだけ効率よく多くの歯に分散させることが大切です。
しかし動いているのは“歯”ではなく“下顎”なので、下顎が関節の中でしっかり安定していることが前提になります。
不思議なことですが、歯の治療を行なう際、顎の関節の状態を考慮して治療されることは、ほとんどありません。
グッドスマイルの歯科医院では、顎の位置から咬み合わせを考えて治療しています。

講演会のあとは、第二部 懇親会!

食事をしながら、診療所とは違った雰囲気で患者さんとワイワイ話して、楽しいひと時でした。

他の診療所の患者さんからも良いお話をたくさん聞けました。

鏡味小時さんの太神楽ショーも盛り上がりました!

これからも、お口の健康についても本当の話を伝えていきたいと思います。

クリニックの会報”Clinic News”ができました。

原稿やデザインなど少々時間がかかりましたが、クリニックの100%手作りの会報「クリニックニュース第8号」ができました。毎号スタッフと一緒に作って、計画治療が終了した患者さんへお届けしています。

一通一通患者さんのお顔を思い浮かべながら、私が封筒に入れ郵送しました。患者さんとつながる数少ないツールの一つなので、気持ちが入ります。

今回は、ラバーダム、フッ素、口内炎などについて書かれています。

休診のご案内

9月20日(土) 臨時休診いたします。

「安倍首相 9日間で4回の歯医者通い」という記事

先日週刊誌に、8月初めの安倍晋三首相の「9日間で4回」という頻繁な歯医者通いについて、「持病の潰瘍性大腸炎の悪化と関係しているのではないか」と書かれていました。
 http://news.livedoor.com/article/detail/9208031/

潰瘍性大腸炎と歯科治療?別に関係はないと思いますけれど…。

しかし安倍さんは、昨年ロシアに訪問した際に歯が痛くなり、現地で治療を受けられた話を日本歯科医師会のパーティーでされていました。

↓↓↓

 これには後日談がある。ロシアからの帰国後、治療を受けた現地の医療機関から高額の請求書が届いたのだ。首相自身が、昨年9月に開かれた日本歯科医師会のパーティの挨拶でこう語って会場を沸かせた。
「いよいよプーチン大統領との会談という時に、奥歯が痛くなった。あとで請求書を見て、やっぱり日本の皆保険は素晴らしいと思い、制度の断固維持を決断しました」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140826-00000001-pseven-soci

どうやら安倍さんは、口の健康に問題があるのは事実のようです。

この9日間で4回の歯科治療自体は、それほど珍しいことではないと思います。超多忙なスケジュールの中、短期間で治療を済まそうとされたのかもしれません。

今になっては遅いのかもしれませんが、問題は何年、何十年もの間ずっと口の中にあったのでしょう。まあ正確なことを知らないので、想像の域をでませんが…。健康な歯なら、頻繁に歯痛などのトラブルはまずおこりません。

ほとんどの場合、痛みなどの歯のトラブルの原因は長いあいだ口の中にあり、ある日突然に痛みなどの症状が出てくるものです。

症状が出るきっかけになるのは、ストレスでの抵抗力の低下も考えられますが、ストレスでくいしばりや歯ぎしりの力や時間が増して、いつもより歯に力のストレスがかかって痛くなることがよくあります。

「よりにもよってこの忙しいときに…」となるのはこういうことが多いです。安倍さんもプーチンとの会談を前にそうとう緊張され、ストレスも相当だったことでしょう。

実は気がかりなのは先ほどのこの言葉です。
「いよいよプーチン大統領との会談という時に、奥歯が痛くなった。あとで請求書を見て、やっぱり日本の皆保険は素晴らしいと思い、制度の断固維持を決断しました」
日本歯科医師会のパーティーの席でのこのスピーチに対して、歯科医の先生方は拍手喝采だったそうです。

日本のほとんどの国民が皆保険制度は素晴らしいと思っているでしょう。私もそう思います。皆保険制度のおかげで多くの命が救われ、健康が担保されているはずです。

しかし、歯の治療についてはちょっと違う側面があると常々感じています。

確かに、健康保険制度で歯科治療は誰でも気軽に治療を受けられるでしょう。

そうなのです。気軽に治療を受けられるし、歯科医の側も気軽に治療できるのです。虫歯になっても患者さんも歯科医もさほど深刻に考えません。ちょちょいと詰めれば「治りました!」です。

ほんとに治ったの??

そこでは、なぜ歯が溶けたのか?ということにはあまり目が向けられません。
本当の問題は、歯が溶ける原因なのにです。

病気やケガ、特に遺伝の病気、原因不明の難病、運悪く罹った感染症など、予測することが難しい病気やケガと違って、歯科疾患(虫歯や歯周病などの歯の病気)のほとんどは、自分で予防することが可能です。糖尿病、心臓病、ある種の癌は生活習慣が原因といわれますが、それらよりもはるかに確実に予防できます。

虫歯や歯周病は、ほとんど自己責任の疾患なのです。
自分で歯を守る方法を正しく知ることができれば、どれだけの人が歯の病気で苦労せずにすむことでしょう。

歯科に充てられる健康保険医療財源の多くを修繕に充てるのではなく、例えば修繕にかかる費用は自分で負担して、歯のお手入れの正しい方法を徹底的にマスターし、メンテナンスを義務付けるなど、予防に手厚くすれば将来修繕する必要もほとんどなくなるでしょう。
インプラントもほとんどいらなくなるでしょう。

その方が幸せなはずです。

もう修繕を繰り返す歯の治療は間違いだと気が付くべきです。
いくら修繕しても口の中で歯が溶ける環境は変わらないのですから。
歯が溶けない環境に確実に変えられることをしましょうよ。

「いよいよプーチン大統領との会談という時に、奥歯が痛くなった。あとで請求書を見て、やっぱり日本の皆保険は素晴らしいと思い、制度の断固維持を決断しました」
このスピーチをした安倍さんと、歯科医の先生方の拍手には違和感があります。

その皆保険での歯の治療の結果が今の状態ではないのですか?と 訊ねてみたいです。

安倍さんも若いころから、歯を守る方法を正しく知っておられたら、ストレスに強い歯になっていたのではないでしょうか?

個人的には、安倍さんを応援していますので、しっかり歯の治療は受けていただきたいと思います。そして日本のためにも、歯のことを気にされないですむ口の健康を取り戻していただきたいと思います。超ご多忙な首相在任中は難しいかもしれませんが…。

余談ですが、ロシアで歯の治療を受ける際に、ロシア語の通訳を準備していたそうですが、実際に治療にあたった歯科医はフランス語を話すフランス人だったらしいです。

9月 休診のご案内

9月6日土曜日午後~10日水曜日 休診いたします。

8月の休診日

8月13日水曜日 休診いたします。

母校でMRIの勉強会

日曜日に母校の大阪歯科大学でMRIの実習をさせてもらいました。

6名と少人数のグループのために朝から夕方まで、この分野の権威の先生にみっちりついていただいて、放射線科を借り切り、高性能で超高価なMRIを実際に使って、顎の関節のMRIの撮像と読像をさせてもらいました。

なんとも贅沢な時間でした。

これに入るのは今回で2回目なのですが、警報のような音とこの空間に一人取り残される感覚は、患者さんにとっては不安やと思います。

 

実際に機器を触って、角度設定して撮像もさせてもらいました。
MRIは影を見るのではないので、撮影ではなくて撮像だそうです。

 

 

 

撮れたものをみんなで検証。。。

放射線科の顎関節の権威の先生に読像のポイントを教えてもらってます。

密度の濃い時間でとても勉強になりました。

顎が痛い、口が開きにくい、ガクガク音が気になる、咬み合わせが急におかしくなったなど、顎のトラブルの診断には、顎を含めた口腔全体の詳しい診査や模型診査や咬合(咬み合わせ)診査に加えて、このMRI診査がとても役立つことがあります。

MRIがある施設の中でも、顎のことがよくわかっている施設は限られていて、関西圏であれば大阪歯科大学附属病院 がベストです。上手に撮ってもらえることに加えて、画像診断の専門家による診断も付けてもらえます。

神戸からでは少々遠いですが、私どものクリニックでしっかり診査診断した上で紹介させていただいています。

顎口腔系の健康と顎関節の関わり

先日、HDI(Holistic Dental Institute)のワンデーコースが東京フォーラムで行われました。

「予防中心」「患者さん中心」「健康中心」の歯科医療についての歯科医向けセミナーで、「顎口腔系の健康と修復治療~顎関節との関わり~」という内容で話してきました。

顎の関節と咬み合わせの関係を調和させることは、顎関節症の予防や改善だけでな、歯を守り、治療した歯を長持ちさせるためにも重要です。そして快適さにも直接影響します。顎の関節と咬み合わせの関係は、顎を含めた口の健康にとってとても重要なのですが、大学ではほとんどおそわりません。私もHDI(Holistic Dental Institute)の卒後教育と、マイアミにあるPankey Instituteで学びました。


受講された先生方もメモをとりながら熱心に聞いていただいていました。

グッドスマイルネットワークでは、特に顎の関節と咬み合わせの関係を重要視しています。