「安倍首相 9日間で4回の歯医者通い」という記事

先日週刊誌に、8月初めの安倍晋三首相の「9日間で4回」という頻繁な歯医者通いについて、「持病の潰瘍性大腸炎の悪化と関係しているのではないか」と書かれていました。
 http://news.livedoor.com/article/detail/9208031/

潰瘍性大腸炎と歯科治療?別に関係はないと思いますけれど…。

しかし安倍さんは、昨年ロシアに訪問した際に歯が痛くなり、現地で治療を受けられた話を日本歯科医師会のパーティーでされていました。

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 これには後日談がある。ロシアからの帰国後、治療を受けた現地の医療機関から高額の請求書が届いたのだ。首相自身が、昨年9月に開かれた日本歯科医師会のパーティの挨拶でこう語って会場を沸かせた。
「いよいよプーチン大統領との会談という時に、奥歯が痛くなった。あとで請求書を見て、やっぱり日本の皆保険は素晴らしいと思い、制度の断固維持を決断しました」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140826-00000001-pseven-soci

どうやら安倍さんは、口の健康に問題があるのは事実のようです。

この9日間で4回の歯科治療自体は、それほど珍しいことではないと思います。超多忙なスケジュールの中、短期間で治療を済まそうとされたのかもしれません。

今になっては遅いのかもしれませんが、問題は何年、何十年もの間ずっと口の中にあったのでしょう。まあ正確なことを知らないので、想像の域をでませんが…。健康な歯なら、頻繁に歯痛などのトラブルはまずおこりません。

ほとんどの場合、痛みなどの歯のトラブルの原因は長いあいだ口の中にあり、ある日突然に痛みなどの症状が出てくるものです。

症状が出るきっかけになるのは、ストレスでの抵抗力の低下も考えられますが、ストレスでくいしばりや歯ぎしりの力や時間が増して、いつもより歯に力のストレスがかかって痛くなることがよくあります。

「よりにもよってこの忙しいときに…」となるのはこういうことが多いです。安倍さんもプーチンとの会談を前にそうとう緊張され、ストレスも相当だったことでしょう。

実は気がかりなのは先ほどのこの言葉です。
「いよいよプーチン大統領との会談という時に、奥歯が痛くなった。あとで請求書を見て、やっぱり日本の皆保険は素晴らしいと思い、制度の断固維持を決断しました」
日本歯科医師会のパーティーの席でのこのスピーチに対して、歯科医の先生方は拍手喝采だったそうです。

日本のほとんどの国民が皆保険制度は素晴らしいと思っているでしょう。私もそう思います。皆保険制度のおかげで多くの命が救われ、健康が担保されているはずです。

しかし、歯の治療についてはちょっと違う側面があると常々感じています。

確かに、健康保険制度で歯科治療は誰でも気軽に治療を受けられるでしょう。

そうなのです。気軽に治療を受けられるし、歯科医の側も気軽に治療できるのです。虫歯になっても患者さんも歯科医もさほど深刻に考えません。ちょちょいと詰めれば「治りました!」です。

ほんとに治ったの??

そこでは、なぜ歯が溶けたのか?ということにはあまり目が向けられません。
本当の問題は、歯が溶ける原因なのにです。

病気やケガ、特に遺伝の病気、原因不明の難病、運悪く罹った感染症など、予測することが難しい病気やケガと違って、歯科疾患(虫歯や歯周病などの歯の病気)のほとんどは、自分で予防することが可能です。糖尿病、心臓病、ある種の癌は生活習慣が原因といわれますが、それらよりもはるかに確実に予防できます。

虫歯や歯周病は、ほとんど自己責任の疾患なのです。
自分で歯を守る方法を正しく知ることができれば、どれだけの人が歯の病気で苦労せずにすむことでしょう。

歯科に充てられる健康保険医療財源の多くを修繕に充てるのではなく、例えば修繕にかかる費用は自分で負担して、歯のお手入れの正しい方法を徹底的にマスターし、メンテナンスを義務付けるなど、予防に手厚くすれば将来修繕する必要もほとんどなくなるでしょう。
インプラントもほとんどいらなくなるでしょう。

その方が幸せなはずです。

もう修繕を繰り返す歯の治療は間違いだと気が付くべきです。
いくら修繕しても口の中で歯が溶ける環境は変わらないのですから。
歯が溶けない環境に確実に変えられることをしましょうよ。

「いよいよプーチン大統領との会談という時に、奥歯が痛くなった。あとで請求書を見て、やっぱり日本の皆保険は素晴らしいと思い、制度の断固維持を決断しました」
このスピーチをした安倍さんと、歯科医の先生方の拍手には違和感があります。

その皆保険での歯の治療の結果が今の状態ではないのですか?と 訊ねてみたいです。

安倍さんも若いころから、歯を守る方法を正しく知っておられたら、ストレスに強い歯になっていたのではないでしょうか?

個人的には、安倍さんを応援していますので、しっかり歯の治療は受けていただきたいと思います。そして日本のためにも、歯のことを気にされないですむ口の健康を取り戻していただきたいと思います。超ご多忙な首相在任中は難しいかもしれませんが…。

余談ですが、ロシアで歯の治療を受ける際に、ロシア語の通訳を準備していたそうですが、実際に治療にあたった歯科医はフランス語を話すフランス人だったらしいです。

9月 休診のご案内

9月6日土曜日午後~10日水曜日 休診いたします。

8月の休診日

8月13日水曜日 休診いたします。

母校でMRIの勉強会

日曜日に母校の大阪歯科大学でMRIの実習をさせてもらいました。

6名と少人数のグループのために朝から夕方まで、この分野の権威の先生にみっちりついていただいて、放射線科を借り切り、高性能で超高価なMRIを実際に使って、顎の関節のMRIの撮像と読像をさせてもらいました。

なんとも贅沢な時間でした。

これに入るのは今回で2回目なのですが、警報のような音とこの空間に一人取り残される感覚は、患者さんにとっては不安やと思います。

 

実際に機器を触って、角度設定して撮像もさせてもらいました。
MRIは影を見るのではないので、撮影ではなくて撮像だそうです。

 

 

 

撮れたものをみんなで検証。。。

放射線科の顎関節の権威の先生に読像のポイントを教えてもらってます。

密度の濃い時間でとても勉強になりました。

顎が痛い、口が開きにくい、ガクガク音が気になる、咬み合わせが急におかしくなったなど、顎のトラブルの診断には、顎を含めた口腔全体の詳しい診査や模型診査や咬合(咬み合わせ)診査に加えて、このMRI診査がとても役立つことがあります。

MRIがある施設の中でも、顎のことがよくわかっている施設は限られていて、関西圏であれば大阪歯科大学附属病院 がベストです。上手に撮ってもらえることに加えて、画像診断の専門家による診断も付けてもらえます。

神戸からでは少々遠いですが、私どものクリニックでしっかり診査診断した上で紹介させていただいています。

顎口腔系の健康と顎関節の関わり

先日、HDI(Holistic Dental Institute)のワンデーコースが東京フォーラムで行われました。

「予防中心」「患者さん中心」「健康中心」の歯科医療についての歯科医向けセミナーで、「顎口腔系の健康と修復治療~顎関節との関わり~」という内容で話してきました。

顎の関節と咬み合わせの関係を調和させることは、顎関節症の予防や改善だけでな、歯を守り、治療した歯を長持ちさせるためにも重要です。そして快適さにも直接影響します。顎の関節と咬み合わせの関係は、顎を含めた口の健康にとってとても重要なのですが、大学ではほとんどおそわりません。私もHDI(Holistic Dental Institute)の卒後教育と、マイアミにあるPankey Instituteで学びました。


受講された先生方もメモをとりながら熱心に聞いていただいていました。

グッドスマイルネットワークでは、特に顎の関節と咬み合わせの関係を重要視しています。

歯削る機器、滅菌せず再使用7割…院内感染懸念(読売新聞)

先日(5月18日)読売新聞朝刊第1面にタイトルの記事が出ていました。
(記事詳細は下記に添付してあります)

滅菌とはすべての細菌やウイルスを死滅させる方法で、歯科の治療器具を滅菌する場合、120℃以上の高温で所定の時間留置する方法が一般的です。オートクレーブという、ちょうど圧力釜のような器械を使います。船曳歯科クリニックでは、患者さんの口の中に入る器具で、120℃以上の熱に耐えられるものは、患者さん毎にすべてオートククレーブで滅菌します。

20年以上前にアメリカで「キンバリー事件」 http://en.wikipedia.org/wiki/Kimberly_Bergalis が起こりました。キンバリーさん(女性)がHIVを発症し、彼女がかかっていた歯科医から複数のHIV感染者が報告されたことで、その歯科医が感染源である可能性が高いとされました。歯科治療でHIVに感染すると全米を震撼させた事件です。

それ以降、アメリカではキャンペーンを行ない徹底的にハンドピースを滅菌するよう努めました。以下はアメリカでの歯科臨床における院内感染予防ガイドライン(2003年)の一部です。

A.エア/給水管に取り付けられた歯科用ハンドピースおよびその他の装置
1.患者を治療する毎に,歯科治療ユニットのエアおよび給水管から取り外しができるハンドピースや,その他の口腔内器具を洗浄し,加熱滅菌する
3.歯科治療ユニットのエアおよび給水管から取り外しできるハンドピースやその他の口腔内器具には,表面消毒も液体化学滅菌剤またはエチレンオキサイドを使用してはならない

どういうことかというと、タービン(歯を削る高速回転器具:キーンと音のするやつ)などのハンドピースは、必ず患者毎に加熱滅菌しなさい、加熱滅菌しか方法はない、ということです。

20年前、当時のアメリカのTV番組のインタビューに答えていた歯科医師は、歯科治療で使ういろいろな器具のうち、もしもどれか一つしか滅菌できないとしたら、ハンドピースを滅菌すると話していました。ハンドピースだけは、中空(チューブ状)で、中が洗えないからというもっともな理由でした。

読売新聞のこの記事によると、7割が滅菌していないとのこと。7割!ほとんど滅菌していないということです。正直私も驚きました。しかも回答があったのが約3割なので、実際に滅菌をおこなっていない割合はさらに増えそうです。

しかし、この記事が出てから、患者ごとの滅菌に対応するため、タービンなどハンドピースやオートクレーブなどの器械の注文が増えていると聞きます。良い傾向ではあります。

自分のかかっている歯科医院が滅菌しているか?どうやって確かめたらよいのでしょうか?残念ながら、7割から判断すると、滅菌していない可能性が高いとなります。

勇気を出して聞いてみることでしょう。といっても正直に答えてくれればの話ですので、最終的には、信頼関係という曖昧なところになりそうです。

まずはっきりとハンドピースを滅菌していると告知しているかどうか?がわかりやすいと思います。

船曳歯科クリニックでは、10年前の開業以来、タービン、マイクロモータなどのハンドピースは、患者さん毎にオートクレーブで滅菌しています。

~以下、読売新聞の文面~

歯を削る医療機器を滅菌せず使い回している歯科医療機関が約7割に上る可能性のあることが、国立感染症研究所などの研究班の調査でわかった。
患者がウイルスや細菌に感染する恐れがあり、研究班は患者ごとに清潔な機器と交換するよう呼びかけている。
調査対象は、歯を削るドリルを取り付けた柄の部分。歯には直接触れないが、治療の際には口に入れるため、唾液や血液が付着しやすい。標準的な院内感染対策を示した日本歯科医学会の指針は、使用後は高温で滅菌した機器と交換するよう定めている。
調査は、特定の県の歯科医療機関3152施設に対して実施した。2014年1月までに891施設(28%)から回答を得た。
滅菌した機器に交換しているか聞いたところ、「患者ごとに必ず交換」との回答は34%だった。一方、「交換していない」は17%、「時々交換」は14%、「感染症にかかっている患者の場合は交換」は35%で、計66%で適切に交換しておらず、指針を逸脱していた。
別の県でも同じ調査を07~13年に4回行い、使い回しの割合は平均71%だった。

 

5月休診のご案内

5月24日(土)26日(月)は、臨時休診となります。

ご不便をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

インフォームドコンセント

Google画像検索でのインフォームドコンセント表示

Wikipediaでは、

インフォームド・コンセントinformed consent)とは、「正しい情報を得た(伝えられた)上での合意」を意味する概念。

(中略)

なお、英語の本来の意味としては「あらゆる」法的契約に適用されうる概念であるが、日本語でこの用語を用いる場合はもっぱら医療行為に対して使用される(Wikipediaより)

とあります。

日本語と英語の概念の間に少し違いがあるようです。英語でinformed consentの画像を検索すると、図のようにたくさんの契約書らしきサンプルが出てきます。さすが契約社会です。

どちらにしても、あらゆる治療を行なう前に患者(あえて患者さんではなく、患者と表記します)の理解が必要で、患者の自由意思によって選択されなければいけないということです。

また、「説明の内容としては、対象となる行為の名称・内容・期待されている結果のみではなく、代替治療、副作用や成功率、費用、予後までも含んだ正確な情報が与えられることが望まれている。また、患者・被験者側も納得するまで質問し、説明を求めなければならない。」(Wikipedia)とも書かれているように、医師側の責任だけでなく、患者側の責任も書かれています。

患者側からは、「この先生は、私に何をしてくれるのか?」 医師側からは、「この患者さんは、何を求めているのか?」という基本的な部分の確認作業でもあるように思います。基本的なことですが、実は通り一遍の問診では見えてこない、深い部分が実際には多くあります。遠慮して言えないこと、本当は何のために治療するのか?患者さんも気づいていない自分が本当に求めているもの、将来的な展望など、患者側もすぐには言葉にならないこと、医師側もすぐには答えられないことがあります。

病気が進んでも、また治療しても元に戻らないことが多い歯科治療の場合、インフォームドコンセントは、特に重要だと感じています。

このインフォームドコンセントを丁寧に行なうためには、ゆっくりとした時間の中で、自由に考え、話し、信頼関係を築いていく作業が必要です。その作業に数時間、または数回のアポイントが必要かもしれません。しかしその時間をつくることで、その歯の将来、口の将来、そしてその人の人生が大きく変わる可能性が十分にあります。そのことをよく知っているので、患者さんの話をゆっくり聞く時間、患者さんが知りたいこと、知るべきことについてしっかり話す時間は、私にとってとても楽しい時間です。

 

 

 

休診のご案内

3月1日(土)は、臨時休診いたします。

映画「プリティーウーマン」のFloss

プリティーウーマン

1990年の映画「プリティーウーマン」

実業家とコールガールが出会い、次第に惹かれあう姿を描いたアメリカ的シンデレラストーリー(Wikipedia)ですが、この映画にフロスが登場します。

ホテルのパウダールームで娼婦役のビビアン・ワード(ジュリア・ロバーツ)がなにやらゴソゴソ。ドラッグではないか?と疑ったエドワード・ルイス(リチャード・ギア)がビビアンに詰め寄り、手に隠し持っていたものを検めると、手の中にフロスが!

フロスはご存知のように歯を掃除する道具。歯を守るツールとしてアメリカでは一般的なものですが、ここでは娼婦ビビアン(ジュリア・ロバーツ)が、実は自分を大切にしているレディーであることを表現しているのだと思います。

破滅に追いやるドラッグかと思いきや、その真逆の健康的なフロスだったところが、歯科医としてとても興味深いシーンでした。

ちなみに、ビビアン(ジュリア・ロバーツ)が手にしていたフロスはこれ。バトラー デンタルフロス#950PJ

知らなかったのですが、日本語吹き替えは1種類ではなくて、テレビ局やビデオ版でそれぞれ違う人がやっているのですね。リチャード・ギアに、あおい輝彦、石田純一、山寺宏一  ジュリア・ロバーツに、戸田恵子、浅野ゆう子など(Wikipedia)です。それぞれ雰囲気違うのでしょうね。