定期的にメンテナンスを受けておられる患者さんですが、メンテナンスの中で発見されました。
上の一番奥の歯の奥に黒い亀裂があるのですが、わかりますか?
下の写真が拡大したもので、赤の矢印が亀裂です。
患者さん自身は、痛くもかゆくもありませんのでメンテナンスでたまたま発見されたのです。
この亀裂を放置すると、ここから歯が割れて抜歯しなくてはならなくなるかもしれない、実は重要な問題なのです。
この歯を守るために必要なことは、これ以上亀裂が広がらないように、歯が割れないようにすることです。
そのためにこの歯の表面を一層削って、硬い材質もので被せる必要があります。
患者さんといっしょに、この写真をモニターで拡大して観察しました。
今回発見されてよかったこと、まだこの歯を残せるチャンスがあること、何よりメンテナンスに来られたことが発見につながったこと…などお話して、これからの治療の目的や方法を説明をして治療にとりかかりました。
表面を削っていくと、写真のように中が見えてくるに従って、黒い亀裂もよりはっきりわかるようになりました。
最終的に、歯と修復物との境目や顎の位置や動きと調和した咬み合わせなど綿密に設計され作製された金属の歯を被せて、治療終了です。
一番奥の歯には、非常に強い力がかかります。
その強い力で歯に亀裂が入ったのです。
今後何年もの間その破壊的な力から歯を守ることを考え、修復物の材料にはセラミックなどの白い歯ではなく、一番壊れにくく、歯にかかる衝撃も少ない金属を選択しています。
これで一安心です。
治療後は、快適に過ごされています。
治療回数4回(1回あたりの治療時間1時間~1時間30分)
虫歯や歯周病などの歯の病気で歯を失うことが多いですが、このように歯が壊れることで失う場合も非常に多いのです。
できる限り、歯が壊れないように咬み合わせを調整しておくなどの予防策も大切です。
もしも亀裂が見つかった場合には、このように歯を被せてそれ以上の破壊を防ぐことも大切です。
しかし同時に亀裂があればすべて削って被せる必要があるかというとそれもまた違います。
亀裂が見つかってもそのまま経過観察していく場合もまた多くあります。
ご心配であれば、かかりつけの歯科医に相談されることをおススメします。
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