点字や触図で歯科治療説明

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神戸市中央区の予防歯科

神戸大学医学部(神戸市中央区)と大阪大学歯学部のチームが、視覚障害者を支援するため、歯の病気、治療状況を点字や手で触れられる「触図」によって表現するシステムを開発したそうです。

自分の歯や歯ぐき、口の状況がどのようになっているのか?虫歯や歯周病にかかっているならなぜそうなったのか?なぜ治療が必要なのか?どのように治療するのか?治療するとどうなるのか?治療しなければどうなるのか?治療するのに痛みをともなうのか?時間や期間、回数はどれくらいかかるのか?これから歯を守るには(予防するには)どうしたらよいか?

これらの?(疑問)に対する答えは、一つではないことがほとんどです。また歯は全部で32本あり、それら1本1本の歯と、歯の周りの骨や歯ぐきについて、また全体的な傾向、顎や顎を動かす筋肉を含めた咬み合わせの調和(バランス)について、など一人の人の口には膨大な情報があります。

歯科治療においては、これらについて十分な理解が必要で、理解がないまま治療を急げば同じことを繰り返す可能性が高くなります。

また自分の歯やこれからの治療についてよくわからないうちに治療を受けるには、恐怖をともなうことも考えられます。いわゆるインフォームドコンセントが大切!ということになります。健常者でも最初に十分な理解を得るには、かなりの時間が必要になります。

私どものクリニックにも耳がご不自由な聴覚障害の方が数名おこしになられています。その方たちの治療には、十分なコミュニケーションがとれるように、お一人あたり1時間半~2時間の時間を確保します。コミュニケーションには、絵を描いたり(図示)、パソコンのワープロソフトとキーボードを使って会話したり、ときには筆談したりと、少々時間はかかりますが、ほぼ健常者と同じように意思疎通ができ、理解も得られます。

しかし視覚障害となるともう1段も2段も難しいことが予測できます。視覚情報を文字に置き換えるのはとても難しいからです。位置や形を言葉で表現するのはとても難しいのです。そのような場面で、点字や触図はとても有効であると思われます。

このシステムでは、歯科医が病名や症状をパソコンに打ち込むと、自動で点字に翻訳され、プラーク(歯垢)など汚れがある歯の場所を立体的に表現する触図ができるそうです。印刷には立体コピー機なるものが必要だそうで、一般開業医への普及はもう少し時間がかかりそうですが、とても大切なことだと思います。

歯を守るためにも

歯科治療への恐怖をなくすためにも

 

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