【本日のラバーダム】歯と歯の間の虫歯

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まずは、ラバーダム(写真の青いラバーのシート)をします。

歯と歯の間にできる虫歯の場合、砂糖入りの清涼飲料水が主な原因かもしれません。よく見ると一番上の歯と真ん中の歯の間が黒く透けているのがわかります。

とにかく砂糖が大きな原因であることに間違いはありません。

歯と歯の間が溶ける場合、隣り合う2本の歯にまたがって溶けていることが多く、その場合治療する歯も2本になります。

またこのような場合、穴の開いている場所は歯と歯が接している部分なのですが、穴の入り口から虫歯を取り除く(削る)ことはできないのです。隣に歯があるので器具が入らないのです。

どうしても虫歯を取り除くために上から削ることになります。

そのため一番上の歯は歯の後の壁が、真ん中の歯は歯の手前の壁が、虫歯治療のためになくなってしまうのです。

当然歯の強度が失われてしまいます。

2枚目の写真は表面のエナメル質を取り除いたところですが、中が黒くなっているのがわかります。これから慎重に感染している象牙質を取り除いていきます。

3枚目の写真も治療の途中経過です。穴の中がうっすら赤くなっているのがわかりますでしょうか?虫歯の取り残しがないか、虫歯を染め出す染色液(齲蝕検知液)で染め出して確認しています。ここで完全に取り除いておかないと、いまから詰める詰め物の下で歯が溶けつづけることになるからです。

【齲蝕検知液】
象牙質が分解されると分子量が小さくなるので、正常な象牙質には入り込めないけれど、分解されて小さくなった部分には入り込める大きさの色素がこの検知液なのです。

ここから先は、歯髄に近づくためさらに慎重に進めます。

モーターのついた器具で削り取るのですが、少しずつ進めるために回転数は極力小さくします。

回転数を小さくすると削り取る効率は落ちますが、歯髄を守ることが優先されるので少々時間がかかってもゆっくり丁寧に感染している象牙質を取り除きます。

感染している部分を完全に取り除いたあとは、もとの形を取り戻すように修復していきます。

まず失った壁を復元するために、薄い金属製のプレートで仮の壁を再現します。

この金属の壁が隙間なくピッタリ歯に沿わなければなりません。

わずかでも隙間があればそこから詰め物の樹脂が漏れ出してしまいます。

わずかに漏れ出した樹脂が固まってしまうと、器具の届く微調整できる場所であれば固まった後に削って調整できますが、器具の届かない部分で漏れ出すとやっかいになります。

もう一度詰め物を削り取って詰めなおす場合もあります。

今回は無事に修復できました。

この2か所の虫歯の治療をするために、治療室に入られてから出られるまでに約1時間半の時間がかかっています。

患者さんもおよそ1時間に渡って口を開けていることは大変だったでしょう。よくがんばっていただきました。

これでこの2本の歯から虫歯はなくなりましたが、これだけでは歯が溶けなくなったわけではありません。

歯が溶ける「虫歯」という病気が治ったわけではないのです。

大切なことは、もうこれから歯が溶けないようにすることです。

この患者さんの場合、今回の治療をする前にデンタル・ドックを行い歯が溶けてしまう原因を突き止め、その原因をなくすように完璧なプラークコントロールを習得され、毎日そのプラークコントロールを実践されています。それとともにシュガーコントロールも積極的に行われています。

ここまで準備するために、数か月の時間を費やされ、がんばられました。

虫歯のリスクを最小限にした上で、今回の充填処置(虫歯を削って詰める治療)に臨んだわけです。

とにかく早く治療を終わらせたいと考えられる方にとっては、この数か月の時間を長く感じられるかもしれませんが、これから一生かけてずっと「削って詰めての終わりのない治療」を繰り返えすことを考えると、このような時間を過ごすことはとても貴重な経験になります。

言い換えれば、削って詰める虫歯治療を繰り返されている方は、このあたりの問題が解決されていない可能性があります。

急がば回れといいますが、長い目でみると結果的に歯の治療にかける時間も最小限にできるのです。

このように虫歯の治療というのは、削って詰めるだけではなく、その原因をなくし、その状態を一生継続することです。

そのほとんどの部分は、歯科医や歯科衛生士が行うことではなく、それぞれの方が自分自身でされることです。

私たち歯科医や歯科衛生士ができることは、せいぜいその方法を伝えたり、それがうまくいっているか確認し、応援することなのです。

虫歯治療の主役はあくまで患者さん本人なのです。

虫歯治療は、今のことだけではなくて、将来歯のことで苦労せず、好きな物がなんでも気にせず噛んで食べられて、気持ちよく過ごすための投資でもあります。

私どものクリニックでは、いわゆる「削って詰める治療」を急がず、まずは皆さんの将来ためには現状をどのように考えて、どうしておいたらいいのかを皆さんと一緒に考えていきます。

神戸 三宮 各線三宮駅からフラワーロードを南へ約5分 神戸市役所東向かい
船曳歯科クリニック 078-222-8020

 

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