メンテナンスチェックは、やっぱり大切 1

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7年ぶりにメンテナンスに来られた60代後半の患者さん。

事情がありメンテナンスの間隔が大きく開いてしまいました。その間「痛い」「しみる」「腫れる」「はずれる」など自覚される症状はまったくなかったそうです。

7年ぶりなので、お会いするまでいろいろ心配しましたが、なんと!ピカピカの歯でした。(一か所を除いて…)歯ぐきもピカピカ!

親知らず以外の28本すべてそろっておられて、168ヶ所(6ヶ所×28本)の歯ぐきの溝の検査でもすべて正常の3mm以下。出血もほとんどなし。

メンテナンスに来られなかった7年間、毎日欠かさずフロスを通しておられたそうです。それも完璧な方法で。

20年前に初めてお会いしたときには、むし歯の治療跡や神経を失っている歯、歯ぐきの炎症、出血もありました。このままでは、一生ちょこちょこ治療を繰り返して、大切な歯が少しずつなくなっていくことが目に見えていました。

そこでいままでの“削って詰めて完成!”そしてまた“削って詰めて完成!”の悪循環を断ち切るように、まずは徹底的に検査して現状の把握から始めました。デンタルドックを受けられたのです。

患者さんといっしょにレントゲンや写真、模型を細かく確認して、顎の関節や筋肉の状態、咬み合わせ(上下の顎の位置関係や上下の歯の接触関係など)の確認、歯の周りの組織(歯ぐきや顎の骨)の検査を細かく行いました。詳しく検査することで、いままでの悪循環の原因も見つかりました。

その経験は、この患者さんにとって初めての経験でした。いままで多くの治療を繰り返しておられましたが、一度も本当のご自分の口と向かい合うことがなかったのです。本当の状態を知る機会がなかったのです。

その後、この患者さんは正しいプラークコントロールの方法を習得され、必要な治療にも積極的に取り組まれ、清潔で咬み合わせの力のバランスがとれたお口の健康を手に入れられました。治療が終わってからも定期的にメンテナンスを受けられ、その健康を長く維持されておられました。その間、新たな治療はまったく必要ありませんでした。予防することに成功されました。この患者さんの口は生まれ変わったのです。

今回、7年のブランクがありましたが、その間に退職され、お孫さんができ、と人生での大きなイベントもありました。しかし最初に覚えていただいたプラークコントロールを毎日静かに実行されていたのです。すごいことであり、主治医としてたまらなくうれしかったです。

これからは定期的にメンテナンスを復活されることでしょう。もう安心です。おそらく生涯28本の歯は健康な状態で残ることでしょう。生涯歯で悩まれることはないでしょう。

この患者さんのように、歯周病や虫歯を予防することは、正しい手順を踏んで自分の歯に向き合うことができれば誰にでもできることなのです。

実は、今回1か所だけ問題がありましたが、今回来られたことでそれも大きな問題に発展せず解決できました。その問題にはご本人はまったく気付かれていませんでしたので、今回来られていなければあと少しで大きな問題に発展していたと思われます。長いブランクがありましたが、本当によく来られました。

今回発見されたその問題については、次回紹介いたします。

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