歯にかかる力
前歯では15㎏ 犬歯では30㎏ 支点にもっとも近い大臼歯では60㎏
これは平均的なもので、大きな個人差があります。
大臼歯には100㎏を超える力がかかることもあります。
就寝時の歯ぎしりが激しい人、日中でもくいしばっている人 など、その破壊的な力が1日に何時間も、それが毎日毎日何年も、何十年もかかりつづけることがあります。
くいしばりや歯ぎしりが激しい人とそうでない人との差は経年的にどんどん広がっていきます。
では、その力でどのようなことが起こるか?
歯牙破折 (歯が割れること とても痛いです)→多くの場合、その歯は抜歯され、失われます。
歯がしみる (知覚過敏)
歯の動揺 (強烈な力で揺さぶりつづけることで、歯がグラグラ動いてきます)
歯のすり減り (奥歯前歯にかかわらずすり減り、上下の歯の接触面積が大きくなることで、歯にかかる力がさらに大きくなります)
口を閉じる筋肉(閉口筋)の痛み (顎関節症の一つの症状です)
開口障害 (口が開きにくくなること)
顎関節の変形 (それに伴う痛みや開口障害)
頭痛 (主には筋肉の痛み)
ざっと挙げただけでもこれくらいはあります。
これらのことを予防するためには、
・その力が破壊的な場合(破壊的かどうか?を診断することが大切ですが)、その力を最小限にすること
・そして歯や顎をいろいろな方法で保護すること
歯には強力な力がかかるものです。
歯や口の健康は、歯磨きだけでは守れないことも多くあります。
どうか咬み合わせの力のことに関心を持ってください。
私たちは、虫歯や歯周病だけでなく、“顎(顎関節や咀嚼筋)を含めた咬み合わせ”をとても重要視しています。