飲む〇〇

コンビニスイーツで飲む〇〇というのが流行ってるそうです。

ということでリサーチしてみました。

これまでも飲むヨーグルトがありましたが、さらに飲むパンケーキ、飲むレアチーズケーキ、果ては飲む大学芋までありました。

特にOLに人気だそうです。

飲んでみました。

どれもドロッとしていて、当然ですがどれもむちゃくちゃ甘い…。。。

大学芋の場合、原材料名から一番多く含まれているものは大学芋となっていますが、その大学芋の中にも上白糖と水あめが入っています。

大学芋以外にもグラニュー糖、黒糖などが入っています。

炭水化物は全体で29.5gになっています。

その中の砂糖の量はわかりませんが、サツマイモ分を差し引いてもかなりの砂糖だと思われます。

WHO(世界保健機関)のガイドラインでは、1日の砂糖摂取量の目安を1日に摂る総エネルギー量の5%未満に抑えるべきとなっています。

計算するとこれは砂糖25gに相当するので、これ1本でほぼ1日分ということになります。

しかし歯科医の私が心配するのは、カロリーよりも虫歯です。

これだけの砂糖、しかもドロッとしていて飲み終わった後も甘さが長く口に残ります。

歯の表面に長い時間砂糖が貼りつきます。

歯の表面が細菌の分厚い層で覆われていたり、詰め物と歯にわずかでも隙間があったり、小さくてもすでに虫歯の穴があったりするとそこに砂糖が流れ込みます。

隙間や穴の中は、舌や頬や唇は絶対にあたらないですし、歯ブラシやフロスも絶対に届かないので、そういうところにはミュータンス菌が何にも邪魔されずぬくぬくと生活しています。

そこに砂糖が流れ込んでくるとミュータンス菌がそれを待ち構えていて、盛んにその砂糖を分解してエネルギーに変え、ミュータンス菌は分裂して爆発的に数を増やし、ダラダラドロドロと乳酸を作ります。

その酸で歯が溶けてしまうのが虫歯です。

歯が溶けてしまうと元にもどりません。

また歯が溶けただけではまったく痛くないので、かなり進行しないと虫歯の存在に気づきません。

虫歯が歯髄に達するようになると、歯髄炎を起こして、今度は猛烈に痛む場合があります。そして歯髄(神経)を失うことになります。

そして多くの部分を失った歯は強度が低下するので、割れる可能性が高くなります。

歯医者がどれだけ完璧に治療しても歯と修復物の間につなぎ目ができるので、元に戻るわけではありません。

飲む〇〇

甘い味と、かわいくてやさしいイメージのパッケージとネーミングで体に悪そうなイメージはまったくありませんが、このような砂糖いっぱいドリンクを毎日飲むことは非常に恐いことなのです。

歯を大切にしたいならできるだけ飲まないこと、飲むとしても週1回とかにしましょう。毎日はやめましょう。

このような砂糖が非常に多く含まれる飲み物や食品を毎日、しかも1日に何度も口にすることは、虫歯が多い人、虫歯の治療(虫歯を削って詰めるまたは被せるというような修復治療)を繰り返している人にほぼ間違いなく共通した習慣です。

また多くの場合、そのような人は砂糖が虫歯の原因になることは知っていても、自分が毎日口にしているものがどのようなものか?それが歯を溶かす一番の原因であるとは思っていません。

歯医者で削っては詰めての虫歯の治療を散々受けてきた人でも、その原因が毎日口にしている砂糖だとは知らないのです。

歯医者で教えてもらわないのでしょうか?

ここが極めて不思議ですし、残念なところですが、多くの場合教えてくれません。

今口の中で何がおこっているのか?現状を調べる時間、歯が溶けた原因を突き止めるための時間、歯が溶けた原因と考えられる習慣について話し合う時間、いままでの歯科経験について話す時間、これからどうありたいか?どうできるか?を歯科医と相談する時間、そのような広い意味での現状を理解する時間がないのです。

歯医者と話すことは、金属にするか?セラミックにするか?インプラントにするか?ブリッジにするか?部分入れ歯にするか?保険にするか?自費にするか?その利点・欠点?

そんなことばかりです。

歯科医はもっと本質的なことを伝えるべきだと思います。

なぜあなたの歯が溶けるのか?というような。

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【本日のラバーダム】歯と歯の間の虫歯

まずは、ラバーダム(写真の青いラバーのシート)をします。

歯と歯の間にできる虫歯の場合、砂糖入りの清涼飲料水が主な原因かもしれません。よく見ると一番上の歯と真ん中の歯の間が黒く透けているのがわかります。

とにかく砂糖が大きな原因であることに間違いはありません。

歯と歯の間が溶ける場合、隣り合う2本の歯にまたがって溶けていることが多く、その場合治療する歯も2本になります。

またこのような場合、穴の開いている場所は歯と歯が接している部分なのですが、穴の入り口から虫歯を取り除く(削る)ことはできないのです。隣に歯があるので器具が入らないのです。

どうしても虫歯を取り除くために上から削ることになります。

そのため一番上の歯は歯の後の壁が、真ん中の歯は歯の手前の壁が、虫歯治療のためになくなってしまうのです。

当然歯の強度が失われてしまいます。

2枚目の写真は表面のエナメル質を取り除いたところですが、中が黒くなっているのがわかります。これから慎重に感染している象牙質を取り除いていきます。

3枚目の写真も治療の途中経過です。穴の中がうっすら赤くなっているのがわかりますでしょうか?虫歯の取り残しがないか、虫歯を染め出す染色液(齲蝕検知液)で染め出して確認しています。ここで完全に取り除いておかないと、いまから詰める詰め物の下で歯が溶けつづけることになるからです。

【齲蝕検知液】
象牙質が分解されると分子量が小さくなるので、正常な象牙質には入り込めないけれど、分解されて小さくなった部分には入り込める大きさの色素がこの検知液なのです。

ここから先は、歯髄に近づくためさらに慎重に進めます。

モーターのついた器具で削り取るのですが、少しずつ進めるために回転数は極力小さくします。

回転数を小さくすると削り取る効率は落ちますが、歯髄を守ることが優先されるので少々時間がかかってもゆっくり丁寧に感染している象牙質を取り除きます。

感染している部分を完全に取り除いたあとは、もとの形を取り戻すように修復していきます。

まず失った壁を復元するために、薄い金属製のプレートで仮の壁を再現します。

この金属の壁が隙間なくピッタリ歯に沿わなければなりません。

わずかでも隙間があればそこから詰め物の樹脂が漏れ出してしまいます。

わずかに漏れ出した樹脂が固まってしまうと、器具の届く微調整できる場所であれば固まった後に削って調整できますが、器具の届かない部分で漏れ出すとやっかいになります。

もう一度詰め物を削り取って詰めなおす場合もあります。

今回は無事に修復できました。

この2か所の虫歯の治療をするために、治療室に入られてから出られるまでに約1時間半の時間がかかっています。

患者さんもおよそ1時間に渡って口を開けていることは大変だったでしょう。よくがんばっていただきました。

これでこの2本の歯から虫歯はなくなりましたが、これだけでは歯が溶けなくなったわけではありません。

歯が溶ける「虫歯」という病気が治ったわけではないのです。

大切なことは、もうこれから歯が溶けないようにすることです。

この患者さんの場合、今回の治療をする前にデンタル・ドックを行い歯が溶けてしまう原因を突き止め、その原因をなくすように完璧なプラークコントロールを習得され、毎日そのプラークコントロールを実践されています。それとともにシュガーコントロールも積極的に行われています。

ここまで準備するために、数か月の時間を費やされ、がんばられました。

虫歯のリスクを最小限にした上で、今回の充填処置(虫歯を削って詰める治療)に臨んだわけです。

とにかく早く治療を終わらせたいと考えられる方にとっては、この数か月の時間を長く感じられるかもしれませんが、これから一生かけてずっと「削って詰めての終わりのない治療」を繰り返えすことを考えると、このような時間を過ごすことはとても貴重な経験になります。

言い換えれば、削って詰める虫歯治療を繰り返されている方は、このあたりの問題が解決されていない可能性があります。

急がば回れといいますが、長い目でみると結果的に歯の治療にかける時間も最小限にできるのです。

このように虫歯の治療というのは、削って詰めるだけではなく、その原因をなくし、その状態を一生継続することです。

そのほとんどの部分は、歯科医や歯科衛生士が行うことではなく、それぞれの方が自分自身でされることです。

私たち歯科医や歯科衛生士ができることは、せいぜいその方法を伝えたり、それがうまくいっているか確認し、応援することなのです。

虫歯治療の主役はあくまで患者さん本人なのです。

虫歯治療は、今のことだけではなくて、将来歯のことで苦労せず、好きな物がなんでも気にせず噛んで食べられて、気持ちよく過ごすための投資でもあります。

私どものクリニックでは、いわゆる「削って詰める治療」を急がず、まずは皆さんの将来ためには現状をどのように考えて、どうしておいたらいいのかを皆さんと一緒に考えていきます。

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伊丹十三監督のタンポポ

1985年の伊丹十三の映画「タンポポ」を久しぶりに見ました。

山﨑努、宮本信子、役所広司、渡辺謙、安岡力也、大滝秀治、黒田福美、橋爪功、津川雅彦など、そうそうたるキャストです。

一つの幹になるストーリーが展開していく中に、別のいくつものストーリーが入ってくるオムニバス的な映画です。35年以上前の映画ですが、今でも十分面白い。

全編「食」がテーマになっていますが、その中に左の写真のような歯の根の治療(根管治療)のシーンが出てきます。

このシーンを見て違和感があったのですが、皆さんは気が付かれますか?写真ではちょっとわかりにくいかもしれません。

歯科医もアシスタントもグローブをしていないのです。

歯科医であった私の父もそのころは素手で治療していました。今では考えられないことですが、35年前は確かにそれがスタンダードだったのです。

日本の歯科治療にグローブが普及し始めたのは、1990年代初めごろ。私が歯科大学の学生のころでした。

このグローブの習慣の普及のきっかけは感染症のエイズでした。

神戸の元町で日本ではじめてのエイズの患者が認定されたのが1987年でしたが、それ以降感染予防に対する意識が高まり、いまではグローブをして治療することがスタンダードになっています。

当時私は、このように大きな出来事や時代の流れでスタンダードというものは変わっていくのだということを経験しました。昔の常識はいまの非常識、ということもよくあることです。

左は私どものクリニックでの治療の様子ですが、皆さんご存知のように今ではグローブがスタンダードになっています。

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石川紅奈さんの Off the Wall

たまたまYoutubeで見つけたジャズミュージシャン、石川紅奈さんです。

東京のライブハウス「Cotton Club」で2021年8月24日(火)に行われた神戸出身の世界的ピアニスト小曽根真さんのライブ “OZONE 60 in Club”での演奏のようです。

【動画はこちら】

曲はマイケル・ジャクソンの“Off the Wall”

1979年にリリースされたマイケル・ジャクソンのアルバム“Off the Wall”のタイトル曲です。

オリジナルは今にも踊りだしたくなるようなダンサブルな曲ですが、紅奈さんはグルーブ感のあるベースラインをウッドベースで弾きながら、しっとりと歌っています。

女性ベーシストが演奏しながら歌うというスタイルは、アメリカの同じく女性ベーシストのエスペランサ・スポルディングと似ていますが、エスペランサも同じアルバム“Off the Wall”の中の別の曲“I Can’t Help It”をベースを弾きながら歌っています。

個人的には、それを意識しての“Off the Wall”かな?と思っています。

前置きが長くなりました。この動画で彼女のアップになったときに口元が見えますが、矯正器具(ブラケットとワイヤー)がついています。

歌声を聞く限り、まったく矯正中だとはわかりません。

矯正治療は1か月に1回の通院で矯正器具を調整していくことが多いですが、調整後数日間は痛みがあり食事がしにくかったり、上下の歯をあてただけでも痛いことがあります。

しかしステージに立つ日と矯正治療に行く日を調整すれば、彼女のように両立は可能だと思います。

これからステージに、しかもフロントに立ちつづけるミュージシャンであれば、口元はとても重要でしょう。

以前のブログ 「Tom Scott のアルバムジャケット」に書きましたが、ジャケットにわざわざ矯正器具を付けている写真を使っているアルバムもあります。

是非矯正治療もがんばって、ますます活躍してほしいです。

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失った歯を補う方法

進行した歯周病

もちろん抜歯せずに問題が解決できるならば、抜歯せずに歯を残すことに全力をつくします。

しかし、このように進行した歯周病を治す最良の治療法は抜歯です。

抜歯することで、つぎのようなことが解決できます。

〇噛んだときの痛み 〇歯がグラつく不快感 〇口臭 〇歯ブラシをあてたときの歯ぐきの痛みと出血 〇血管の中に入った歯周病菌が全身を巡りつづけることで起こるリスク 〇将来の不安 などなど

現在の歯科治療では、失われた歯を補う方法は基本的にブリッジ、入れ歯、インプラントの3種類ですが、この患者さんの場合は、上の歯にブリッジ、下の歯にはブリッジと入れ歯を使いました。

まずは、患者さんの手で正しくプラークコントロール(歯の手入れ)ができるようにその方法を知っていただきます。徹底したプラークコントロールとこれまで毎日されてきた歯磨きとの違いに多くの方は驚かれます。

次にどうしても患者さんの手では届かない1本1本の歯の中と外に住み着いている細菌を取り除き、口の中の細菌の数をさらに減らしていきます。歯の中に細菌が住み着いている場合はその部分の歯を削り取り、細菌の巣になっている歯石がついている場合はそれを取り除きます。

口の中の細菌の数が減って清潔になったら、咬み合わせを安定させていきます。治療用の冠やブリッジ、治療用の入れ歯を微調整しながら、顎の関節がもっとも安定する位置を基準に、顎にかかる大きな力をできるだけ多くの歯に均等に分散できるように快適な咬み合わせを設計していきます。顎の位置から計算するわけです。

このような手順で治療しますので、いきなり写真のようにきれいになるわけではなく、この患者さんの場合全体の治療に50回以上、約1年かかっています。

本当によくがんばられました。いくつかの歯を抜歯することから始まった時間のかかる今回の治療を受け入れられた患者さんの勇気と、毎日の完璧なプラークコントロールをつづけられるご努力に敬意を表したいと思います。

治療後も定期的なメンテナンスには必ずお越しになられ、治療が完了してから5年以上経過していますが、いまでも問題なく快適に過ごされています。

治療後時間が経った今、患者さんといっしょに“よかった”と言い合える、感じ合えるメンテナンスの時間はとても充実した時間です。

年月が経過しないとわからないことですが、最初に治療計画を立てるとき、また治療するときに少々時間はかかっても患者さんにしっかり説明して妥協せず丁寧に治療する大切さを改めて感じます。

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映画「MINAMATA」とブラックジャック

今日は久しぶりに映画を観てきました。

ジョニー・デップ主演のMINAMATAです。

ついこの前封切になったと思ってたら、もう神戸では上映していなくてテアトル梅田まで行ってきました。

関西で上映している映画館はほぼここだけで、しかも60席のスクリーンで1日1回だけです。

映画は、日本の公害病“水俣病”を取材し、アメリカの雑誌「LIFE」や写真集「MINAMATA」を通じて世界にその存在を知らしめた写真家ユージン・スミスをジョニー・デップが演じる実話です。

パイレーツオブカリビアンやチャーリーとチョコレート工場など、ジョニー・デップは被り物のイメージがありますが、ある意味この映画でも写真で見る本物のユージン・スミスそっくりなのです。

映画全体が細部まで可能な限り正確に再現されているらしく、ジョニー・デップがかけている眼鏡もユージン・スミスがかけていた眼鏡と同じモデルだそうです。(映画の1970年当時にかけていたモデルはジョニー・デップに似合わなかったそうで、その前の1960年代にかけていたモデルを使っているそうですが…)

カメラも当時どのようなカメラを使っていたか記録になかったらしく、日本に入国する際の当時の税関申告書を調べたそうです。

さすがに迫力がありました。

心が動くというのでしょうか、観ていてブルブルっ、ゾクゾクっとする場面がいくつかありました。

被害者本人やその遺族や家族などいわゆる原告側が、大きなものに向かっていく勇気に感動しました。

この映画を観ていて、小学生のころによく読んでいた愛読書「ブラックジャック」の「しずむ女」というエピソードを思い出しました。

【しずむ女のあらすじ】
晦日市で発生した公害によって知能低下と歩行障害になってしまった「ヨーコ」の話です。障害のため行政や町の人からも無下に扱われていたヨーコですが、とても無垢で愛嬌のあるヨーコがとにかく可愛い。手塚ヒロインの中でも屈指のキャラクターです!ブラックジャックの事を「オニイチャーン」と呼んで抱き着くシーンがなんとも・・・
ヨーコは海に潜って魚を取るのが得意だったのですが、公害によって足に障害を負ってしまってから海に潜るのはおろか、歩く事すらままならず乳母車を木の棒で押して街を移動していました。
彼女はいつかまた海に潜って魚になる事を夢見ていたのです。
公害によって蝕まれた身体もブラックジャックの手によって回復の兆しが見えてきました。今まで書けなかった文字を書けるようになったのですが、まだ全快ではないにもかかわらず、ブラックジャックへ魚を取ってくるという書置きを残し海へ潜り、ヨーコはそのまま帰ることはなかったのです。

 ブラックジャックの最後のセリフがなんとも切ないのです。「ヨーコ、こんど生まれたらきれいな海で泳げよ」…手塚治虫のブラックジャックは、ハッピーエンドで終わらない作品が多いです。世の中そんなきれいごとだけではない。という部分を小学生だった私も感じてたのでしょうか…そのあたりのリアリティが魅力だったように思います。

映画の最後、交渉の場で追い詰められた國村準演じるチッソの社長がボソッとひとこと謝罪するシーンも、絵のように頭は下げていませんでしたが、こんな感じでよく似ていました。

余談ですが、この「しずむ女」というエピソードは、最初に出た単行本には掲載されていますが、その後に発行されたものには人権的な観点から未収録のものが多いそうです。

「しずむ女」はアニメ化もされているようですが、内容が書きかえられているそうです。

映画「MINAMATA」、なんとか映画館で観れてよかったです。

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チェット・ベイカーと歯

ジャズトランぺッターの日野皓正さんは、「唇の恰好と歯の形が良ければ、トランペットの音がなりやすい。しかし、歯が折れたり、歯の位置が数ミリずれたり、歯の厚みがほんの少し変わったりするだけで、音が上手に出なくなる。そのため、歯の健康状態には十分気をつけている。」と話されています。

この中での「歯の位置が何ミリかずれたり…」については、口の中での数ミリというのは大きすぎるので、実際はその100分の1くらいの感覚かと思います。

トランペットのような管楽器(特に金管楽器)奏者にとって、歯はとても大切だということです。

写真のチェット・ベイカーは、1950年代から80年代にかけて活躍したアメリカのジャズミュージシャンです。

歌手としての甘い歌声とマイルス・デイビスと人気を二分するようなトランぺッターとしての腕前をあわせ持ったジャズジャイアントです。

そのキャリアのちょうど真ん中あたりの1970年に、ドラッグが原因の喧嘩で前歯を折られる事故に見舞われます。

このシーンは、イーサン・ホークがチェット・ベイカーを演じた映画「ブルーに生まれついて」にも出てきます。

前歯を失ったチェット・ベイカーが入れ歯を使い、懸命に練習する場面がありますが、なかなかうまくいきません。壮絶なシーンです。

トランぺッターが前歯をごっそり失うことは、日野皓正さんの言われる数ミリどころの話ではありません。

前歯を失ったチェット・ベイカーは休業を余儀なくされますが、3年後の1973年に復活をはたします。

おそらく壮絶なトレーニングだっただろうと思います。

それと同時に彼の入れ歯は、楽器と同じかそれ以上に貴重だったことでしょう。

入れ歯が壊れたり、入れ歯を失ったりすると絶対に演奏できないはずですし、歌も歌えないでしょうから。

チェット・ベイカーは、以前に紹介したジャズの映画 Round Midnightにも参加しています。

そしてこの映画が公開された1986年に初来日しています。

その翌年の1987年に2度目の来日をし、1988年にオランダでホテルから転落してなくなっています。58歳でした。

クリニックでは、チェット・ベイカーの曲も流しています ♪

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~本日のラバーダム~ 上の一番奥の歯

上の一番奥の歯です。

溝が黒くなっています。

虫歯です。

治療すべきか?経過を観るか?微妙なところですが、中央の部分の虫歯がエナメル質を超えて象牙質まで進行していそうなので、治療です。

治療

麻酔をして、ラバーダムをして、細菌が感染している部分を取り除いていきます。

虫歯の取り残しがないように、しかし削る量は極力少なく、しかし詰め物の強度を担保できる厚みを確保するように、詰めるときにうまく詰められるようにある程度の幅が必要、と相反するような条件をうまくクリアするように形を作ります。

医療行為とはいえ、患者さんの歯をいったん傷つける行為です。

慎重に。

詰めるときは隙間ができないように、丁寧に、この作業がこの歯の将来を決定づけるのだから。

ラバーダムが必要

写真に写っている青いシート。

ラバーダムといいます。

この小さな虫歯の治療にもラバーダムを使いますが、それは主に2つの理由があります。

一つ目の理由は、削った歯の中に唾液が入り込んで、詰め物の下に再び細菌を感染させないためです。

二つ目の理由は、歯と詰め物の樹脂(コンポジットレジン)を接着させるために接着剤(ボンディング剤)を使うのですが、歯が少しでも唾液で濡れてしまうと極端に接着力が低下するので、絶対に唾液の侵入は防がなければならないからです。

今回の治療は、一番奥の歯なので、ラバーダムをしなければ洪水のように流れてくる唾液で汚染されてしまうからです。

唾液で汚染されても治療はできますし、おそらく数か月で詰め物がはずれたり、虫歯が再発して痛くなるようなことはないでしょう。

しかし、2~3年、あるいは10年の時間を考えたとき、この汚染が再治療へ誘います。

一生の中で、この歯の治療はこれで最後にしたいので、10年ではなく寿命まで再発を防がなければなりません。

再治療になる場合…

数年後、もしも虫歯が再発した場合どのようなタイミングで発見されるでしょうか?

痛くなったときでしょうか?詰め物がはずれたときでしょうか?

どちらにしても虫歯がかなり進行しなければそのようなことはおこりません。

このようなことがおこると次は歯髄(神経)が危険になります。

もしも歯髄が失われると今度は歯自体が危険になります。

実際に歯が失われるパターンはこのように進行していきます。

ですから今回のような小さな虫歯を治療する場面はとても貴重です。

今回の虫歯のように問題の火がまだ小さなうちに確実に消火できれば、今後は安心です。

知らず知らずのうちに火が大きくなってしまうのをなんとか防がなければなりません。

歯の治療はいまだけのことではなくて、一生のことなのです。

ですので、あらゆる治療をする場合に少なくとも5年先、10年先のことを考えなければなりません。

そうすると丁寧に削って、丁寧に詰めるだけでは解決しない問題があることに気が付きます。

そもそもなぜこの歯に虫歯ができたのか?という問題です。

この問題が解決しない限り、歯が溶けることはつづくでしょう。

主には正しいプラークコントロールの習慣と砂糖の摂取のコントロールという問題です。

簡単そうで実は奥の深い問題かもしれません。

そもそも簡単な問題なのであれば、虫歯はほぼこの世からなくなっているはずです。

私たちのクリニックでは、予防プログラムを通して計画治療の最初にこの問題を解決していきます。

丁寧なメンテナンスチェックが大切

今回の虫歯は、実はメンテナンスで何年も経過を観てきたものです。

実際には、自分で発見するのは不可能でしょう。

痛くないですし、舌触りも健康な歯と変わりないですし、何より自分では見えません。

歯科医が使っているような小さな鏡と別の手鏡などの合わせ鏡をうまく使っても、家庭では鏡が曇ったり、照明が暗かったりでなかなか見えないでしょう。

ここで歯科医や歯科衛生士による丁寧なチェックが必要なのです。

歯科医や歯科衛生士であれば、鏡で見ただけで上の写真のように虫歯があることはわかります。

しかし前述のように「なぜ虫歯になったのか?」という問題が解決されていない限り、高い再発のリスクが残ります。

歯科医や歯科衛生士には、この「なぜ虫歯になったのか?」という問題に目を向ける能力や習慣が必要だと思います。

虫歯を発見してただ削って詰めるだけでは治らないないのですから。

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Pink Ribbon Festival

いまクリニックの前のフラワーロードに「ピンクリボン」のサインが並んでいます。

このピンクリボンの意味はご存知でしょうか?

ピンクリボンとは、乳がんの正しい知識を広め、乳がん検診の早期受診を推進すること、などを目的として行われる世界規模の啓発キャンペーン 詳しくはこちらのリンクから ⇒Pink  Ribbon Festival

女性が一生で乳がんを経験する人は8人に1人だそうです。

乳がんは女性だけの病気ではなく、数は少ないですが男性の乳がんもあるようなのです。

ちなみに男性は1000人に1人くらいだそうです。

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ろうあの方とのコミュニケーションとインフォームドコンセント

治療する前には、必ず今の状況をできるだけ正確に詳しく説明しています。

そのときには絵を描くことが多いですが、この方の場合は少し違いました。

耳が不自由なこの方の場合、すべてが筆談になるので、絵だけでなく左のように説明も文章で書くことになります。

でも、これには思わぬ効果がありました。

文章にして手で文字を書くには口で話すよりもずっと時間がかかりますが、その分お互いの理解が深まる感覚があるのです。

患者さんの方も真剣でした。

デンタル・ドックを受けられ、現在の歯や口の状態と口全体の治療計画、保険診療と自由診療の違い、クリニックの診療姿勢についてもしっかり理解されました。

治療する前に今日の治療の説明をして、お互いがんばって治療して、治療後の説明・注意事項を伝えて、次の予約を取って終了。

治療のルーティーンになっていた1時間半ほどのこの時間は、ホントに楽しい時間でした。

そんなことで説明のメモ書きがどんどん増えていきました。

この患者さんからのご紹介で、同じようなろうあの方が数名来られましたが、それぞれコミュニケーションの取り方が違います。

ある方は、読唇術というのでしょうか、マスクをはずして口元を見てもらえば理解されます。いまの時期は、フェイスシールドが役立っています。

ある方は、パソコンのキーボードを使ってモニターに映し出して伝えています。チャットのような感覚です。その場合は、治療終了時に印刷してお渡ししています。

この方の場合、時間のかかる私の手書きの説明に根気よく付き合っていただいて、質問もたくさんしてくれました。理解しようとされる強い姿勢がうかがえました。

どのような患者さんであっても、ラポールを築くことがとても大切だということを改めて感じました。

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