上の一番奥の歯です。歯の外側が溶けて穴があいています。
この部分に歯を溶かす細菌が住み着いていたのでしょう。
なぜ住み着いたのでしょう?そこが問題です!
このままではまだこの歯は溶けつづけるでしょう。あと10年すると硬い硬い歯のエナメル質と象牙質を貫いて歯髄(歯の神経)に到達するかもしれません。それは5年後かもしれませんし、3年後かもわかりません。おそらく1年後ということはないでしょう。
では削って詰めれば溶けることは止まるでしょうか?
そもそもこの歯が溶けた原因がなくならないと溶けつづけるはずです。
もしも神経を失ってしまうと弱くなった歯が割れてしまうかもしれません。割れてしまった歯は、抜歯しなければならないかもしれません。
いまだったらまだ穴は小さい。これからこの歯を守るためには、こうなった原因を突き止めて、その原因をなくせば大丈夫!
その原因の多くが生活習慣にあります。その原因に目を向けず、穴を削って詰めるだけの治療では終わりはないので、数年おきくらいに削って詰めてを繰り返すことになります。
幸いこの患者さんの虫歯の原因は発見され、今ではその原因もほぼなくなりました。
写真のように「削って詰める治療」もその原因をなくす治療の一環であることに間違いはありません。
治療中に細菌が歯の中に入らないように、写真のようにラバーダム(青いシート)をします。
余談ですが、この写真では、私は左手で器具を持って虫歯を取り除いています。右手を使うことが多いのですが、私は左右どちらも使えるので歯科医の仕事をする上でとても便利です。
(次の写真)虫歯を取り除きました。最初に黒かった部分よりも大きな虫歯でした。
最後の写真は、詰める治療が終わったところです。
ここからが新しいスタート!
予防法をしっかり実践できれば大丈夫!
虫歯のような感染症の治療もコロナの感染対策もよく似ているなと感じます。
原因を科学的に解明して初期のうちに叩く!爆発を防ぐ!ということです。
対策(処置など)を講じる場合、科学的に有効で将来不安なく健康を維持できる方法であるべきです。
原因もわからないまま削って詰めて治りました!では将来もっと大きく健康を損ねる可能性を残すことになります。
もう溶かさないでね。。。
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