咬み合わせについて | about Occlusion





咬み合わせの安定について

口の健康にとって大切なことは、「清潔であること(細菌の数が少ないこと)」と「咬み合わせの力のバランスが安定していること」の2つです。
ですので、咬み合わせは口の健康にとってとても重要です。
 
しかし、そもそも「力のバランスが安定している」というのはいったいどういう状態なのでしょう?実はわかりにくいと思います。
 
「力のバランスが安定している」という状態は、基本的に顎にかかるその大きな力をできるだけ多くの歯で支えるということになるのですが、そこには顎の関節の位置が関係します。
咬み合わせについては、次の2つの位置を理解すればわかりやすいです。
・下顎の関節が受け皿にしっかりはまり込んだ「関節や筋肉が安定する位置」
・より多くの歯が接触している「上下の歯のあたり方が安定する位置」
この2つの位置が矛盾なく一致することが「力のバランスが安定している」状態といえます。
しかし実際には、顎の関節が安定する位置では上下の歯は一か所しかあたらず(図A)、上下の歯が多く接触する位置では顎の関節の位置がずれている(図B)。ということがよくあります。
 

顎の運動

顎の関節は、口を開閉すると回転します。また大きく開けたり、顎を前に出すときには、下顎の関節が前方に引かれて関節の斜面を前方にスライドし、受け皿から前方にはずれます。
口を閉じる場合は、筋肉によって下の歯が上の歯に当たるまで下顎を引き上げます。そして顎の関節を受け皿内の開始位置に戻します。
理想的な状況では、上下の歯が当たったときに関節が受け皿にしっかりはまり込み、それぞれの歯に均等に、そして同時に力がかかります。
 
しかし、前述のように他の歯の邪魔になるような歯が1本あれば、顎が反射的にその歯を避けるように下顎がシフトしてもっとも多くの歯があたる場所を見つけます。
これはそれぞれの歯についているセンサーからの情報が脳で計算されて、「顎関節が安定する位置(図A)」を「上下の歯のあたり方が落ち着く(安定する)位置(図B)」に移動させることで達成されます。
これは、1本の歯だけに大きな力がかかることを避け、歯を外傷から守るための方法でもあります。
 
しかし、時間が経つにつれてこの変化は、関節や筋肉の痛み、それにともなう開口障害、頭痛、歯の痛み、歯の破折や動揺、うつ病などの精神的な問題などさまざまな問題を引き起こす可能性があります。
 

診断と治療

患者さんそれぞれの複雑な咬み合わせを理解するためには、デンタルドックのデータがとても役立ちます。
 
咬み合わせの問題を診断するために、歯の模型を作り、関節が正しい位置にあるときに上下の歯がどのように接触するかを正確に再現できるシミュレーター(咬合器)に模型を取り付けます。顎の動きが精密に再現できるこの模型をはじめ、関節や筋肉の検査データ、その他レントゲン、歯を支えている骨や歯ぐきのデータ、食事など普段の生活の中で感じている主観的なデータを分析して診断します。
必要に応じてMRIの画像を参考にする場合もあります。
 
それぞれデータを分析して、咬み合わせの問題を治療するためのもっともシンプルで、そして最も侵襲性の低い、より良い方法を検討します。
 
治療の方法としては、スプリント療法(マウスピース装着)、咬合調整、歯列矯正、歯冠補綴(歯を被せる治療)などがあり、これらを組み合わせて計画されます。

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